『こころ』ー心
イラスト書道>2020年 古代文字×名作文学展
使われている古代文字:心 元になった書籍「こころ」(夏目漱石 著)
この作品も、『人間失格』同様、歯がゆい作品でした。主人公は、罪悪感に苛まれていますが、誰も彼を責めていません。誰も彼を咎めません。それどころか、彼の抱えた罪を分かち合い、共に生きていこうとする人もいます。しかし、彼は自分の「心」に閉じこもってしまっています。彼は何も見えていないし、誰の言葉も聞こえていないなのだと感じました。彼が勇気を持って目を開け、耳をひらき、自分の心から出て来たら、世界は全く違うものに見えたでしょう。そんな、心に引きこもっている様子を描きました。心という字は、心臓の形から来ています。昔から、心は胸にあるイメージだったんですね。初めて、ペンキで描いた作品です。実物はペンキの溜まりが、ぷくっとしています。