『人間失格』-人間
イラスト書道>2020年 古代文字×名作文学展
使われている文字:人間
元になった書籍「人間失格」(太宰治 著)
『人間失格』という衝撃的なタイトルのこの作品。初めて読んだ大学時代、インパクトのあるお話でしたが、正直、何が面白いのかよくわかりませんでした。今回改めて、何が人間失格なのだろう?と考えながら読みました。読んでいると、何度も幸せになれる場面がありました。でも、主人公はあえて不幸な方に行ってしまいます。どうして?と思う反面、「変えないと」とわかっていながら今までの習慣に引きずられてしまうそんな弱い部分は自分にもあると共感を抱くようになりました。私が感じた人間失格な部分は、「幸せになろうとしない」ことです。幸せになろうとしない彼の不幸は、多くの女性を引きつけます。たくさんの女性が彼の傷に魅せられて、渦のように巻き込まれて行きます。その様子を描きました。でもその弱さ、不条理さも全て「人間」なのだと思います。
Size:140㎝×200㎝